2008年07月29日

宮代町進修館

「進修館」は、埼玉県宮代町にある、公民館のようなもの
最寄りの駅は、「東武動物公園」駅、
動物園ができる前は「杉戸」駅だった。

奥の細道にも出てくる由緒ある地名だったが・・・・

象設計集団の初期の頃の作品である。
わたくしもその設計チームの一員として、
青春の3年間をこの建物にすべて捧げた。

それから幾年月・・・
半円だった進修館の広場が拡張されついに念願の「円」になった。

これからその記念式典が始まろうとしている

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進修館広場全景.jpg

3年前には、コンクリート打ち放しだった外壁をリニューアルするよう依頼され、
あらたにペイントして、このような色に変わった。

そして今回はもう一つ、広場の設計を発注してくださった。
長〜い長〜いお付き合いの宮代町。


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相当にへんてこりんな格好の建物である。

人びとの嗜好は千差万別である。
だから「公共施設」の設計をする時は、
すべての人に嫌われないようにしなくてはいけない。

すなわち、形は機能的に四角くし、恣意的な形を入れてはいけない。
色は白やグレーやベージュなど、ニュートラルなものに。
質感はなるべくお掃除や管理がしやすいように、ツルツルにする。

これらを守らないと日本の建築界では評価される対象にならない。

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しかし、イギリスの有名な(いや、だったか)建築批評家の
リチャード・ウェストン氏はこの進修館をたいそう気に入ったようだ。
進修館について書いた論文がアーキテクチャル・レビュー紙の
懸賞論文でグランプリなどを受賞した。

ロンドンにいるかつてのメンバーから伝え聞く話しによると、
リチャードは今でも大学の授業で進修館をテキストに
建築空間論の授業をやっているそうだ。
どこの大学にいるか忘れてしまったが。
(以前はポーツマス工科大学のディーンだったけれど)

世界のどこかで熱烈に進修館を愛してくれている人がいる。

うれしい。

そうだ思い出した、パオロ・ソレリも見に来たことがあったっけ。

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ここ宮代町の地元の人たちもまた、進修館を受け入れてくれているようだ。
館の利用率は非常に高く、諸室の稼働率は90%をずっと超えている。
利用者数も公共施設として永年にわたって素晴らしい数字を出しているそうだ。

ということは、愛されているんだろう。

うれしい。

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近頃は新しいファンも増えてきていると聞く。

コスプレの人たちだ。

週末には大勢のコスプレマニアが集まり、撮影会をしているらしい。
まだ実物を見ていないのですが。

残念ながら。

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最初は異様な風袋の人たちの集まりを見て、
町のひとは気味悪がっていたそうだけれど。

しかし彼および彼女ら、見かけ以外はお行儀の良い紳士淑女のようで、
町の人ともすっかり打ちとけたそうだ。

それにしても、最近は毎週末に集まるようになり、
その規模も多い時は数百人とか聞くと、ちょっと心配になる。

円形広場も出来てますます多くのコスプレマニアが集まりそう・・・

コスプレ愛好者に、進修館がこんなに愛されて、うれしい!!

ヽ(^。^)ノ

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人から嫌われない建物を設計するのではなく、
誰かに愛される建物を造りたい。

願わくば半分以上の人、つまり51%の人が、
好きになってくれる建物になってくれたらいいのになあ。


 そう、ぼくらの目標は 51(サンカンテアン)


注:51はフランス語でサンカンテアンと読む。
また、フランスのお酒、ペルノーの一銘柄に51と言うのがある。
ラベルに大きく51と数字が書いてある。
カフェに入って102(ソンドゥー)とたのむと、
51のダブルが出てくる。
ほんとだよ。
(^O^;)

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写真:1,7,8,9,12は象設計集団のフィルム・ライブラリーから

posted by ましん at 01:59| Comment(14) | TrackBack(1) | 建築 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは^^
愛される建物。。。それが一番ですよね!
きっと建物も喜びますよね。。。
由布院美術館も皆さんから、ずっと愛されてますね^^
これからも、愛される建物どんどん!!!
お願いいたしますね^^
Posted by kosumosu at 2008年07月29日 17:17
体は、いかがでしょうか。進修館は、施工の時その後3回程、見学 体験させていただきました。本当にみんなの建築になりましたね。象の力のスゴサ、、、、

Posted by ootake sumi at 2008年07月29日 17:31
僕が象設計集団のことを初めて知ったのが
この建物を取り上げていた建築文化という
雑誌の記事でした。確か、捨てコンクリート
の配列を写した大きな写真が出ていて、
それがものすごく強烈で、この人達、
何者?と思っていました。(笑)
建物はもっと荒々しい印象をもっていたのですが
改修で変わったのかな?と思ったりしています。
実物を見たことがないので、機会があれば
是非見に行きたいです。コスプレ軍団も・・(笑)
Posted by ojarumaru at 2008年07月31日 20:19
わあぁ・・・すごい。
本当に円になる日が来るとは。感慨深いです。
ガッコの卒研の一部にさせて頂きかなり通いました。そしてまた、その近くで働いたことのある身としては、ZOOの皆様のお仕事ぶりがとてもうらやましく、これが地元に生きる建築の良さだよなあ、と原点に帰る思いが致します。
お忙しいでしょうがお体に気をつけて生き生きとした街でガンバってください。
Posted by hanamizuki at 2008年07月31日 23:20
kosumosuさん こんにちは
そういえば先月、由布院美術館の館長さんに偶然お会いしました。本当にしばらくでした。由布院にも最近行っていないなあと。
Posted by ましん at 2008年08月02日 19:46
ootake sumiさん 心配していただいてありがとうございます。
8割ぐらい回復と言った感じですね。
Posted by ましん at 2008年08月02日 19:48
ojarumaruさん こんにちは
建築文化もなくなってしまいましたね。
進修館、是非一度見に来てください。週末のコスプレがある時に。

Posted by ましん at 2008年08月02日 19:52
hanamizukiさん ありがとう
本当に感慨深いです。あれから幾年月ですから。
Posted by ましん at 2008年08月02日 19:54
はじめまして、宮代町地元住民です。
私が子供の頃は街に図書館もなく、ここを遊び場にして育ちました。
数えきれないくらい利用しているにも関わらず、今でも「こんな階段あったっけ?!」と発見があります。また、夏の美しさは格別です。
進修館、大好きです。。!
Posted by zumpano at 2008年09月14日 00:05
zumpanoさん 
建物がたって何年も経ってから、進修館が好きだというメールをいただけるなんて!建築家冥利につきます。設計している頃は、こんなことは、想像も出来ませんでした。ありがとうございます。m(_ _)m
Posted by ましん at 2008年09月17日 17:12
20数年前に進修館近くの大学に通っていました。
建物のスケッチや休講の時間に日向ぼっこした、楽しい時間を思い出しました。
だいぶ「成長」した様子をまた拝見したいと思います。
Posted by たかさん at 2011年04月08日 09:02
たかさん、こんにちは
建築は長生きをすることで、人々の記憶に残る。
愛されなければ長生きできないのかもしれない。
Posted by ましん at 2011年04月10日 19:03
コスプレ 凄いですよ。
Posted by at 2012年02月04日 17:46
初めまして!宮代生まれで子供の頃から馴染みがあり、今でも凄い好きな場所です。象設計集団さんの建物は自然とうまく調和していたり、建物のデザインが見ているだけでワクワクします◎ いつか象設計集団さんの設計の家に住みたい、、夢です^^
Posted by yoshinori takezawa at 2012年02月19日 16:15
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進修館(埼玉県宮代町)
Excerpt:  7月26日、埼玉県宮代町にある進修館(1980年:象設計集団)に行ってきました
Weblog: けやき並木〜住まい・暮らしの便り
Tracked: 2008-08-02 11:13
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