もちろん地上げの標的になっていた。
しかし余りにも複雑な権利関係、
地回りのやくざの縄張りなどといった問題のおかげで、
このように昔のままで残っている。
おかしなもんだ。

ゴールデン街は文化人が多く通う飲み屋街というイメージがある。
文化人と呼ばれる人たちには、
作家、映画、演劇、カメラマン、編集者などが多かった。
全共闘世代が、多かったなあ。
4.5坪や3坪の小さな店で、みんな喧々諤々やっていた。

店の名前にフランス系が多いのも文化の香り?
ジャン・ジュネぐらいは知っていなくてはいけないのか?
僕らの仕事場が歌舞伎町にあったちょっと前の頃、
ゴールデン街にしばしば出没していた中上健次や佐々木隆三が、
それぞれ芥川賞、直木賞などを受賞したので、
ゴールデン街は文化人の飲み屋街というイメージが一気に高まった。

ゴールデン街で飲むには、「深夜+1」が解るくらいの教養は必要か?
われらの仲間、かの有名なプロカメラマンのY氏などは、
ゴールデン街の40軒くらいの店にボトルを置いてあり、
連日飲み歩いていた。

そういえば、Jetee(ジュテ、アクサンが出ませんが)のママ、
いやマダムはフランス語を話す。映画にも相当詳しいひとだ。
ゴールデン街には文化人バー、オカマバー、ぼったくりバーの3つが混在していた。

今から振り返って考えると、
このぼったくりバーが混在していたことがゴールデン街のブランディングを
支えていたような気がする。
当時は、今のようにインターネットを通じた情報はなかったので、
京都のお茶屋遊びではないけれど、イチゲンさんは遊びにくい。
イチゲンさんが無事ぼったくりバーを避けるのは運次第。
文化人バーに行こうとしても、やはり誰かからの情報がなければ入れない。
そんな雰囲気があった。
つまり敷き居が高かった。

東京入国管理局が警視庁とも連携して、
歌舞伎町で外国人の不法滞在者や不法就労者の取り締まりを強化している。
「歌舞伎町浄化作戦」というらしい。
すでに、違法な「個室マッサージ店」「わいせつビデオ店」「賭博店」など、
500店舗以上摘発され閉鎖に追い込まれている。

衰退するだけではないようだ。新しい店も増えている。
近代社会は、人びとにとって好ましくない「悪」を見つけ出しては、
それらを摘発し排除してきた。
しかし、人間の本性に「悪」があるのだから、
一旦は人の目から見えなくなってもきっとどこか別のところに芽を出し、
したたかに蔓延るに違いない。

「郊外」などというものは「不健全」なものを一切排除した
「清潔で健康的な街」としてデザインされた。
その郊外の市の文化的中心である公共施設の多くが、
援助交際の舞台となっている。

ゴールデン街にも花が咲いている!!
街を消毒し過ぎるのも、考えものだよ。

















































